2018-06-11
引き出しの構造
一生のうち出し入れを繰り返す引出し。
チェストやキャビネットの引出しの仕込みは、
技術と経験が求められる繊細な工程の一つです。
隙間がありすぎると美観を損ないますし、
きっちり収めてしまうと出し入れに支障をきたします。
本体に入れながら何度も出し入れを繰り返し、
微調整を繰り返しながら引き出しを削る作業を経て、
最終的にレールや前板、取っ手を取り付けていきます。
なかなか見る機会のない引出しの中の構造ですが、
実際に中を覗いてみると前板と引出しにも種類があります。
前板の内側に板があり上から見て、
カタカナのロのような形に木が組んである引出しを「箱組み」。
箱組みの場合、本体と前板の隙間が少なく、
面で接合されるのるためガタツキもなく非常に頑丈です。
反面カタカナのコの字型の引き出しは前板と引出しが面ではなく、
線で接合されているので、箱組みに比べると若干強度が劣ります。
チェストやキャビネットなどの引出し付の収納を
選ぶ際の判断基準としてご参考に頂ければ幸いです。